御挨拶

                                             校長 橋爪 優

 春を迎え、暖かな日にSKIPシティの周辺を散歩しました。緑色の若葉のじゅうたんにたまにちらりちらりと赤いものが見えたりかくれたりしながら動いています。テントウムシです。テントウムシを見るたびに、次のような場面を思い出し初心にかえるのです。

子供たちに「テントウムシを知っている人はいますか。」と言うと、30人ほどの子供たちがみんな「知ってます。」と手を挙げます。「それなら、赤いはねに黒い点が7つある『ナナホシテントウ』を知っている人はいますか」と聞くと、やっぱり「知ってる知ってる、この前見たよ。」とほとんどの子が嬉しそうに言います。「本当に知ってる?」と聞くと「知ってるよ!」と自信をもって言います。そこで、「自信まんまんだね。じゃあ、テントウムシを上から見て、7つの黒丸がどこにあるか書いてみよう。」と問うと、とたんに「うーん、うーん」と悩んで、書いては消し、消しては書いています。その場で自信をもって正解できた子は3人でした。「知っているつもり」の子がほとんどであったことが分かります。そのようにして、観察の大事さに気づいてもらうのですが、逆に私も子供たちに対して「知っているつもり」であるかもしれないことに気づきました。

これは誰にでも知らず知らずのうちに起こることかもしれません。一人一人の学習状況の「知っているつもり」、心の状況の「知っているつもり」、背景にある状況の「知っているつもり」などなど。「この子はこういう子」などと知っているつもりにならず、じっくりと多面的に見て、その子にあったアプローチで声かけをしたり、指導をしたりしていくことができるとよいと考えます。その過程で新たな「よさ」にも気づけるのではないでしょうか。テントウムシは成虫で越冬もするので、一年中見られるのですが、私の場合は、春のナナホシテントウとの出会いでこれらが思い返されるのです。

さて、本校では、新入学児童74名を迎え、16学級、全校児童471名、教職員42名で令和5年度をスタートしました。皆さん、本当におめでとうございます。

私は、この春から校長を拝命しました橋爪 優(はしづめ まさる)と申します。学校教育目標「健康な子」「よく考える子」「心豊かな子」の具現化を目指し、教職員一丸となってまい進してまいります。

もし、この学校だよりを読んだ子がいて、ナナホシテントウの7つの黒い点がどこにあるのか分かったら、ぜひ、校長室に来て教えてください。今度はその出会いを楽しみにしています。保護者・地域の皆様をはじめ、関係機関の皆様、本校に関係する多くの皆様、今後ともご支援、ご協力をよろしくお願いいたします。

ちなみに、テントウムシを手に置いて、空に向かってゆっくり指をさすと上へ上へと登っていきます。最後は指先から大きく羽ばたいていくのです。

 

学校教育目標 「健康な子」 「よく考える子」 「心豊かな子」

目指す学校像  自他の良さを認め、互いに高め合える前川東小学校

1 児童にとって「安心して学べる学校」

2 保護者にとって「安心して任せられる学校」

3 教職員にとって「指導力の向上を目指し、働きがいのある学校」